揺らめく日々を生きる

もう一度、世界と触れ直す。

夏の始まりは魔法に包まれて。

曇りから雨の予報は、今の所外れている。

日照時間があまりにも少ない2019年の梅雨。
今日、7月19日は雲間から青空の覗く晴れ模様になっていた。鬱々とした予報は、今のところは大ハズレ。けれど、この後から崩れるのかもしれない。

きっと今日が、今年の夏の始まりの日。
そう思わせる気温と光に包まれた日だった。
毎年毎年、ああ、この日が夏の始まりだ、と感じると、やたらと情緒豊かになってしまうのはなぜだろう。
そしてやたらと、世界がきらめいて見えるのはなぜだろう。

私の好きな詩人の最果タヒさんの詩に、こんな一節がある。

「全ての時間は±夏。
ぼくの人生は死の間際になって、
何もかもまるで夏のようだったとぼくに錯覚させるだろう。」

年末の詩 より抜粋


そうかもしれない。もっとも天国に近い、きらめく季節、夏。私たちは、夏と、夏以外の日だけを生きているのかもしれない。それほどまでに、夏というだけで、何もかもが尊いのは、それは夏に魔法をかけすぎだろうか。

今年の夏も、ただただクーラーの効いた部屋の中で涼やかに生きるのだと思う。
暑い暑いと、グダグダ言いながら仕方なく出かけるのだと思う。
文句ばっかり言うけれど、けれど外のきらめきは、今だけの特別なものだ。
そのきらめきに、私は毎回毎回、心を揺り動かされる日々が今年も続くのだろう。

やっぱり、夏は嫌いで、好きだ。

今年も夏がやってくる。